2011年12月10日土曜日
絞りの町 有松
名古屋市の町並み保存指定第1号となった緑区有松町の町並みには、当時の繁栄を誇る豪奢な建物が残っています。
この町は、「絞り染め」を生業に栄えた町で、「東海道五十三次」の池鯉鮒(ちりゅう)宿と鳴海(なるみ)宿の間に位置します。
有松は、宿が建ち並んでいたわけではないので、宿場町ではありません。
しかし、全長800m程のこの町は、江戸時代、東海道を行き交う人々の土産品「有松・鳴海絞り」を販売したことから大いに栄えたそうです。
「有松・鳴海絞り」は、おもに木綿製品を扱かっていたので、、手ぬぐいや浴衣など比較的安価でもあり、旅人にも求め易く、手頃でめずらしい「土産物」として大変人気があったそうです。
また、尾張藩が藩の特産品として手厚く保護し、ほかの地域での生産を禁じたため繁栄は長く続きました。
そんな訳で、有松の「絞り染め」を扱う商家は益々繁盛し、豪商となっていったそうです。
有松町の商家は、どの屋敷も、とても大きいのが特徴です。
なんとも広い間口に、往時の繁盛ぶりを窺い知ることが出来ます。
ただ、大きいというだけではなく、シンプルな造りながら豪奢な感じが漂います。
邸内まで、公開されている屋敷はありませんが、その外観から「推して知るべし」です。
しかし、その大きな商家に現在も住まわれ、商売をされている方にお話しを伺ったのですが、文化財に指定されたがゆえの御苦労が多々あるそうです。
そのお宅は、現在、塀の修繕をされているのですが、塀ひとつ修繕するのも、役所に修理の申請をして許可を待ち、変更でもあれば、また申請して許可を待ち、もう半年以上、工事にかかっているそうです。
何事も、お役所仕事で、のらりくらり、そのくせ補助金など雀の涙ほどで、工事費用の足しにもならないそうです。
文化財に暮らすことは、大変なんですね(>_<)
ところで、みなさんは「絞り」の製品を何かお持ちですか?
家じゅう捜せば何か見つかるでしょうが、現代の若者にとって「絞り」の認知度は低く、人気があるとは言えませんよね。
ファッションアイテムとしては、やはりどこか古臭い感じ、垢抜けないイメージであることは否めません。
いまや、浴衣といったら、中国で大量生産された安価で、けばけばしい色どりのものばかり。
藍染の、絞りの浴衣を着た若い女性など、見かけることもなくなりました。
かく言う私も、絞りの浴衣は持っていませんけど・・・。
しかし、「有松・鳴海絞会館」で見た浴衣に、私はビビッときましたよ(@_@)
かっこいいじゃないですか!
ゴテゴテした花柄の、ペラペラの安物浴衣ばかり見慣れてしまった目には、今、また新鮮に感じられました。
こんな素敵な浴衣を粋に着こなしたら、注目を浴びること間違いなしです。
目立ちたい若者よ!注目されたかったら、伝統工芸の品格で、粋を極めるのだ!
って、私が大声出したところで、誰も聞いてはくれないとは思いますが・・・。
絞りの浴衣は持っていませんが、絞りの着物なら持ってますよ。
残念ながら有松絞りではないですけど、鶸色(ひわいろ)の「鹿の子絞り」のシンプルな着物なので、帯さえ上手く選べば、少々派手な色であっても、まだ着られそうです。
長年、箪笥の奥で眠っていた着物ですが、今日の町歩きで思い出しましたよ。
お正月に、引っ張り出して着てみようかなぁ(*^^)v
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