2011年8月31日水曜日

お弁当

私は特別、料理好きでも料理上手でもありませんが、毎日料理は作ります。
まあ、普通どの家庭の奥様もそうでしょうけど・・・。

変な話なんですが、今は食べてくれる家族がいないので作り甲斐ないと言えばないのですが、なぜか、自分だけのためのご飯を作るようになってからの方が、料理作りが少し好きになりました。
みなさん、うすうすと気づいているとは思いますが、私はバツイチです(^_^;)

家族(夫だけでしたけど)がいた頃は、料理を作る事が義務のように思えて、とにかく家族の好みの物を作る事でめいっぱい、自分の食べたい物などはあまり思いつきませんでした。

諸事情により離婚し、ひとり暮らしを始めたこ頃は、一時期、外食ばかりになってしまいました。
でも、経済的にも立ち行かないので自炊生活にもどりましたが、なんだか気力が失せ、インスタントものとか冷凍ものでいい加減な食生活でした(-_-;)。


そんな私が、ちゃんと料理するようになったのは、実家の母が病気になってからでした。
母の入院中、父に食事を作らなければいけなくなったからです。
そのころ、父も病気で身体が思うように動けなくなっていたので、テレビを観る事や食べることだけが楽しみです。
いかに親不孝者の私でも、父に美味しいものを食べさせてたいと思いました。



朝食、夕食は作れても、昼間、仕事をしている私には昼食を作ることが出来ません。
そこで、父に昼食用のお弁当を作り、仕事に出かけるようになりました。
そのうち、自分用のお弁当も作るようになり、父や母が亡くなった今も、毎朝お弁当を作る習慣が続いています。
もう、かれこれ15年以上続いていますよ。


今思うと、結婚当時の私は、気負いすぎていたのでしょうね。
褒められたい気持ちや頑張っているのだと言わんばかりの態度があったんだと思います。

料理作りも義務とは思わず習慣になってしまえば、結構愉しくもなります。




今では、一年に6~7回は、仲の良い友達を呼んで、手料理を御馳走します。
なかなか評判はいいのですよ。
まあ、御馳走になった以上、まずいとも言えないでしょうし、お世辞だとも思いますが・・・!(^^)!

2011年8月29日月曜日

花のなまえ

 まだまだ暑いですが、花屋さんに秋の花達が並ぶようになりました。

 春には色とりどりの可憐な花が並び、夏には華やかで大輪の花が並びます。
 そして、秋には少し地味でひっそりとした花が多くなるように思います。

私は、一年中花屋さんにある花より、季節を彩る花が好きです。 

ワレモコウ


また、花の名前にも惹かれることもよくあります。

左の花は、ワレモコウ。
吾木香・吾亦紅・割木瓜、いろんな字があてられますが、私個人の好みでいうと、吾亦紅が一番似合っていると思います。

 名の由来としては、インド原産の「木瓜」という植物に似て、根に強い芳香があるからという説や中国の鳥の巣と卵を表した模様であるとか諸説ありますが、「吾(われ)も亦(また)紅(べに)なり」と解釈する方が風流だと思いませんか?
「わたしだって、紅く咲いているのよ、見て頂戴」という自己主張が可愛いではありませんか!
私は、この花が大好きですよ、だって毎年「紅く咲いたわよ」って私に呼びかけてくるのですから、買わない訳にはいきません(^_^;) 
 

オミナエシ




右の花はオミナエシ。
みなさんご存知の秋の七草のひとつです。

女郎花と書きます。
「じょろうばな」と読んでしまうと、なんか下品な感じになってしまうけれど、まったく意味が違って「おみな」とは女性を意味し、「えし」は「へし(圧し」で、美女をも圧倒する美しさという意味なのだそうです。
すごいですよね、ものすごい称賛ですものね。
こんなこと言うとオミナエシに失礼ですが、ちょっと見は雑草のようなんですが・・・(-_-;)ね。


  
リンドウ




最後はリンドウ。
竜胆と書きます。

これまた、竜の胆(きも)とは恐ろしげな名前ですよね。
清楚な花には似つかわしくない名前ですけど、根っこがとても苦いからだそうです。
昔の人は、根っこなんかかじってみたのでしょうかね。

紹介した花は、どうやらみんな薬草のようです。
だから、臭いを嗅いでみたり、かじってみたりしたのかな?

美しい花には、毒があると言いますが、今日紹介した花には、薬効がある。
の巻でした。

2011年8月25日木曜日

唐招提寺


唐招提寺金堂


もし「日本で一番美しいお寺は?」と問われたら、私は間違いなく奈良の唐招提寺と答えます。
日本には、素晴らしい寺社仏閣がたくさんありますが、私には、このシンプルな造形美を持つ、この唐招提寺がなにより美しく思えるのです。
平成の大修理も2009年に終わり、天平の面影が戻りました。
天平の頃は、華やかな極彩色に彩られた寺院であったそうですが・・・(^_^;)


唐招提寺講堂




私は、ほとんどの女性の方が好む京都より、奈良のほうが好きです。 
京都の華やかさより、奈良の鄙びた風情が私には合うようです。


唐招提寺の脇道





京阪神に住んで居られる方でなければ、奈良は京都観光のついでの観光ルートのようなもので、奈良公園で鹿と戯れ、東大寺や興福寺を見学して終わってしまいがちです。


確かに、東大寺も興福寺は、すばらしいと思います。
東大寺の大仏様も、興福寺の阿修羅像や木造十二神将立像も
大好きです。

 でも、なかなか西の京の方へ足をのばして頂けないのが少し残念に思われます。
奈良の良さは、街中ではなく郊外に見つけることができます。
奈良には、万葉の都の面影があちらこちらに残っています。



浄瑠璃寺


奈良には、東大寺や興福寺以外にも、いっぱい見て頂きたいお寺があります。

鄙びた山里に、佇む浄瑠璃寺もまた、とてもシンプルで美しいお寺です。
九体仏で有名なお寺です。
 正確に言うと奈良市ではなく、京都府木津川市にあるのですが、ほとんど県境になので、、私の中では、奈良の寺の分類という事(-_-;)
ご不満の方もあろうかと思いますが・・・



とにかく、この辺りは静かな静かな山里です。
心静かな時間を求めるなら、ぜひ訪ねてみる事をおすすめします。



2011年8月23日火曜日

美術館へ

碧南市藤井達吉現代美術館

 









 休日、碧南市にある藤井達吉現代美術館の企画展「画家たちの二十歳の原点」を見に行きました。
この展覧会は、明治から平成までの画家54人の二十歳前後の作品に限定、注目した企画展です。
作品の横には、画家本人の当時の言葉が添えられています。
その言葉からは、早熟な才能と未熟な人生経験の狭間で自問自答する青春の葛藤の日々が読みとることできます。

自らの才能を信じて画家を志し、名をなすことを夢み、挫折を繰り返す日々の彼等の叫びが聞こえてきます。
ある者は病と闘い、ある者は恋愛に悩み、またある者は体制と闘う、二十歳とは、こんなにも痛いものであったろうかという感慨が沸いてきます。
時代の違いという一言で片づけられない、真摯な姿がそこにありました。

中村 彜


私は、絵画について専門家でも評論家でもないので、技巧について詳しく説明することはできません。

だから、あくまでも自分の視点から作品を紹介します。
私は、明治から大正を一気に駆け抜け、夭折した画家に惹かれます。

凝縮された人生であるからこそ、強い自己主張と孤独が見え隠れするような気がするのです。



村山塊多


なかでも、自画像は描かれた時の感情が、ストレートに表現されているようで強く惹かれます。

なぜなら、自画像は展覧会に出品されるべく描かれたものではなく、習作である場合がほとんどだからです。
影響を受けた西洋の新しい技法を試しながら、自問自答をする若い画家達が見えてきます。

自分を見つめるその眼は、自分の内面をあからさまにえぐりだそうとしているようにみえます。

関根正二



 思うように評価されない自分、報われない恋愛、日に日に身体は弱り
 死の影におびえる自分を描く作業は、悲痛とも思えます。

 二十歳という若さが、彼らを駆り立て自らを追い詰めていってしまう。
 正気と狂気の間をめまぐるしい勢いで行き来しながら、ついには生き急
 いでしまう結果になったのでしょうか。

 
佐伯祐三




でも、私は思うのです。
彼らが自分を描くということは、自己愛でもあるのではないかと。
 
苦悩に満ちた孤独と闘いながらも、一方では、孤独と共存している自分を
決して否定していなかった事が、絵に見てとれるような気がします。

まだまだ、紹介したい絵画はいっぱいありますが、私の個人的感想などより、ぜひ、この展覧会を見に行って頂ければと思います。


この展覧会については、9月4日放映の日曜美術館(Eテレ9:00~10:00)で紹介されますので、ぜひご覧になって下さい。

この美術展にご招待くださった碧南市藤井達吉現代美術館館長の木本文平氏に感謝いたします。






2011年8月17日水曜日

うちわと扇子


京うちわ(みやこうちわ)

暦では、もう秋ですが まだまだ暑いですね。
今年の夏は、節電のため扇風機がよく売れたとか。
とは言え、コンクリートとアスファルトに囲まれた都会の夏は、扇風機だけでは過ごせないのが実情ですよね。
エアコンあっての扇風機なのだから、はたして節電できているのでしょうかね(?_?)

暑い暑いと嘆いていても仕方ないので、今日は、マイコレクションのうちわと扇子の話をしましょう。


 
舞扇


  
うちわや扇子は、夏のアイテムと思われがちですが、実は、そうとも限らないのですよ。


扇子には、能や狂言、舞踊に使われる舞扇、茶道や香道用の茶扇、また留袖を着た時などに持つ祝儀扇などがあって、それらの扇子は涼をとる為に使われることはありません。


稽古用の舞扇

最近では、インテリア用の飾り扇子というものもありますよ。
金地に松竹梅の絵が描かれたものや桜の絵柄をよく見かけます。
 おもに、外国人の方がおみやげ用として求められるようで、少し派手めなものが多いですね。
 




 

実用的な扇子は、小型で軽量で涼しげなものがいいですよね。
左の写真は、私の愛用してる扇子です。
青地が涼やかでしょ。
稚児が二人踊っているのですよ、可愛いでしょ(^_^)





京うちわ
でも、どちらかというと私は、うちわの方が好きです。
扇子の歴史は、古いけど・・・
扇子の方が雅でも・・・
少し庶民的なうちわの方が、風雅な感じがするのです。

黒田清輝 画








夏の宵、縁台で夕涼み。
やっぱり、うちわですよね。





  

 

2011年8月11日木曜日

金魚の話

 みなさんは、ペットを飼っていらっしゃいますか?
ワンちゃんやネコちゃん、中には最近はやりのミニブタを飼っている方もいらっしゃるかも?
私もワンちゃんが大好きです。
でも、動物と暮らすには、責任と覚悟が必要だと思うのです。
私みたいな独り者は、長く生きる動物に対して最後まで責任を果たせるかどうかが問題です。
私には、自信がありません(-_-;)


琉金と出目金

だから、金魚って訳ではありませんが、金魚は私のような独り者には一番お似合いのペットです。
出張や旅行とかで、2~3日家を空ける事があっても大丈夫、一週間くらいエサがなくても生きているし、静かで、手もかからず、お金もかかりません。

それに、金魚って、結構なつくのですよ。
近づけば寄ってきます。
顔を認識している訳ではないでしょうけどね。
まあ、「エサくれ」ってことでしょうが・・・(^_^;)
今は、赤い琉金と黒い出目金の2匹が家族です。 
近所のホームセンターで1匹100円で買いました。
安いですよね。
ようするに、一級品ではない金魚なんだと思います。
私は、金魚の専門家ではないので分かりませんが、形や色とかがあまり良くなくて、はねのけられた金魚なのでしょう。

 


金魚の急須と湯のみ

以前は、大きな水槽で、5匹飼っていましたが、今年の5月につぎつぎと病気にかかり、死んでしまいました(>_<)
水換えを怠けてしまい、水質が悪くなって病気が発生してしまったからです。
反省をふまえて、今度は水換えしやすい小さな水槽にしました。
金魚は、大きな水槽で飼育すると、どんどん大きくなります。
以前の金魚は、最初は3㎝くらいだったけれど、12㎝にも大きくなりました。
小さい水槽では、大きくなれないけれど、今度は大事に育てます。
                     

金魚のタペストリー

金魚には、兄と私の秘密の想い出があります。
子供の頃住んでいた家の近所に大きな金魚屋さんがありました。金魚屋さんと言うより養殖場だったように思います。
「沢の金魚屋さん」と呼んでいましたが、本当の名前は覚えていません。
台風で大雨が降ると、水槽からあふれだした金魚が側溝に流れてくる事に気付いた兄は、側溝に網を仕掛けました。
翌日、兄とふたりでバケツを抱え、走って見に行ったのです。
いましたよ、大量に。
もう嬉しくて、いっぱいすくい上げ一目散に家に帰り、庭の池に放しました。
いたずら小僧達の夏、真っ黒に日焼けした兄の顔。
その兄は、今頃どこで、何をしてるやら(;一_一) 

金魚の和菓子
 
金魚の和菓子を見つけました。
可愛いでしょう。
なんか、食べるのがもったいない気がします。

・・・が、写真を撮ったあと、いただきました(^^)v



メダカ




ちなみに、メダカも飼ってます。
メダカも可愛いですよ。
でも、固体の区別ができないので、名前はつけられません。


2011年8月8日月曜日

夏支度

 
御簾を巻上げた状態

今年は、なにかと忙しく、住まいの夏支度が遅れてしまいました。
夏支度と言っても、大げさな事ではないのですが・・・(;一_一)

味気のないマンション暮らしのくせに住まいの夏支度なんて、りっぱな日本家屋に住んでいらっしゃる方々には笑えちゃう話でしょうけどね。
マンション暮らしと言えども、ちょっとだけ工夫すれば、それなりに季節の風情を演出できると思うのです。


金魚のタペストリー



4LDKの我が家には和室がひと間ありますが、床の間や書院があるわけでもなく、クロス張りの味気ないただの和室です。
ひとり暮らしの私には、日常使用することのない無用の部屋ではありますが、そんな和室だからこそ、私なりの方法で夏の風情ある空間に演出します。  
毎年、納戸から御簾や夏のタペストリー、花台やのれんを引っぱり出すことから始まります。




まずは、和室の壁に、麻布に涼しげな夏の絵柄が描かれたタペストリーを掛けます。
お気に入りは、金魚の絵柄のタペストリーです。
その下に花台を置き、季節の花を生けたり、香炉などを置いて、ちょっとした床の間の感じに工夫します。
今日は、夏らしく、竹籠に夏の花ケイトウを生けてみました。



窓には簾を




リビングの南向きの窓には、簾を掛けます。
夏らしい鉢植えを置きますが、葉の色が濃い緑の植物より、若緑の植物の方が、涼しげな感じが演出できますよ。






お次は、風鈴。
なんてったって、夏は風鈴ですよね。
私は、吹きガラスの風鈴よりも、南部鉄の風鈴の音が好きです。
高くて澄んだ音色が涼しさを呼びます。
左の風鈴は、南部鉄風鈴を竹ひご細工の籠で覆った、ちょっと手のこんだもの。
この、手仕事がいい感じでしょ。 

 

御簾を下げた状態

次は、和室の建具をはずし、リビングとの境に御簾を掛けます。
御簾は、いいですね。
掛けたら途端に、和の風情を醸し出します。
味気のない和室が、突然、高貴な姫君のおわす御殿のようになりますよ。
上村松園 画
 

ってな具合で、夏仕度完了(^_^)/

 では、お茶を一服
夏の器も涼を誘いますな(^-^)

 たった、それだけの事なんですけど、気持ちですよ、気持ち!
なにか、涼しげな感じになれば、心愉しくなりますよ。

  



はてさて、御簾の向こうにおわす姫君は、夕顔の君か末摘花か?
ご想像にお任せします。






2011年8月2日火曜日

和ろうそく

プレゼントや海外旅行のおみやげに、アロマキャンドルを頂くことがよくあります。
いろんいろな色や形があって、アロマの香りも楽しむことが出来る素敵なキャンドル。
頂いたら、嬉しいものですよね。

でも、今回は、あえてキャンドルではなく、和ろうそくのお話をします。


私には、和ろうそくの形が、和服の女性の後姿のように見えます。
ウエストあたりにくびれがあり、「小股の切れ上がった粋な女性」って感じがするのです。
まあ、そう感じるのは私だけかもしれませんが・・・(^_^;)

もともと和ろうそくは、仏事用のろうそくという位置づけで、仏具屋さんで販売されていることが多かったのですが、最近では古い町並みが売りの観光地に行けば、お土産屋さんなどで見つけることができます。
でも、出会おうと思わなければ、目に入らないものですけど。


着色されていない和ろうそくの本来の色は、薄く緑がかった乳白色です。
はっきり言って、地味です。
ハゼやウルシの実といった植物性の原料からできているせいで薄緑ががった乳白色なのだと、私に勝手に思い込んでいますが、確かなことはわかりません。
すいませんいい加減な知識で(^_^;)





それに比べ、着色された赤い和ろうそくは華麗です。
また、綺麗な花の絵があしらわれた和ろうそくは、愛らしい感じがします。
女性なら、思わず手に取ることまちがいありません。

しかし、和ろうそくは、アロマキャンドルに比べて値段もそこそこしますし、専用の燭台も必要なので、ただのお土産として買い求めるには少々高価になってしまいます。




和ろうそくは、日本の伝統工芸品です。
また、燭台も伝統工芸品です。
手作りだからこそ、お値段が少々高いのは仕方のないことだと思うのです。







私にとって、和ろうそくはインテリアです。
格調ある燭台に立て、和室に飾れば、堂々の存在感です。

という訳で、現在私は赤い和ろうそくを引き立てる、格調ある木の燭台を求めて骨董屋を巡回、探索中なのです(*^^)v